ムササビ親子 母の愛

昨晩「ムササビウォッチング」での観察で、思いがけない1シーンを見させてもらいました。

どんぐりの森に1つのムササビ巣箱がかかっています。
ここ1ヶ月は、毎日3頭のムササビが入っていました。

3頭の内訳は・・・
 ・お母さんムササビ1頭 
 ・双子の兄弟ムササビ2頭(多分、人間で言うと高校生ぐらい?)

ところが、昨日は双子の子どもたちのみ2頭で眠っていました。

『お母さんと分かれて、初めて2頭だけで眠る昼なのかぁ』と思いつつ、

夕方「ムササビウォッチング」に参加いただいたお客様と、ムササビの出巣を待ちます。
辺りが少しずつ薄暗くなってきた頃・・・

ピューっ!!と、森の奥から大人のムササビが巣箱の木へと飛んできたではありませんか?

『あれ?!』

次の瞬間「グルルルルル・・・・」やってきたムササビが一声発しました。

すると、巣箱から顔を出していた高校生ムササビが出巣し、奥からやってきたムササビの方へと向かっていきました。

『森の奥からやって来たのは、お母さんムササビか!』と気づきました。

ムササビが安心してでかけられる暗さになったと同時に、お母さんは初めての昼を過ごさせた子どもたちの元へやってきたのかと思うと、感動もひとしお。。。
2頭で、巣箱の隣のアカマツで食事をしています。

『次は、まだ巣箱にいる高校生ムササビがアカマツに向かうかな?』

そう思って、観察をしていると、またまた森の奥の方から、別のムササビがピューっ!!

『えぇ~?!誰??』

見てみると、大人のムササビです。巣箱の隣の木までやってきました。
巣箱に残っていた高校生ムササビも、同じ心境だったのでしょうか?
新たにやってきたムササビを、ものすごい勢いで見ています。

次はどんな展開になるのか?未だかつてない事態に、お客様も私もドキドキです。
(プラス「どのムササビを観察したらいいんだろう?!」←ガイドの贅沢な心境)

新たな大人ムササビは、高校生の気迫に負けたのか、はたまたお母さんムササビの気迫だったのか、ほどなく再びやってきた森の奥へと消えてゆきました。

再び『今のは誰?』という疑問が・・・。

ムササビたちにとっては、今が「恋」の季節。
もしかしたら、お母さんムササビに会いにきたオスムササビだったのかもしれませんね。

さて、気になるのは残された親子たち。
不測の事態に怯えたのか、巣箱の高校生ムササビはいつもよりもずっと遅れて巣箱から出た後、お母さんたちに合流。
アカマツの上で、3頭が食事をしている音がします。

その後、3頭は連れ立って近くの木へ滑空。
この頃には、森の上にはキラキラとした星空が見える時間になっていました。

葉が落ちた広葉樹の枝先に、3頭はお団子のようにくっついて座っています。
『これ以上、赤いライトを照らしてはかわいそうかな』と、最後は3頭がぴったりと寄り添うシルエットをみんなで眺めながら帰ってきました。

「今日は、いろんな事件があったわね」
「そうだよ、お母ちゃん、こわかったよ」
「今夜はなるべくみんなでくっついて過ごしましょう」

そんなムササビの会話が聞こえてきそうなシルエットでした。

帰り道、参加してくれた男の子が
「星空もムササビの目も、どっちもキラキラしていたから、どっちがどっちかわからなくなっちゃったよ」
と。
本当に本当に、そうだったね。

こんな場面に遭遇できるなんて、なんて私たちは幸運だったのでしょう。
改めて「ムササビにもそれぞれの人生がある」ことを実感しました。
ピューっ!と飛ぶのが印象的だけど、それだけではないのですね。

一晩明けて、どんぐりの森の巣箱には、今日もムササビが寝ていました。
今日は、3頭一緒に寝ているようです。
さてさて、この親子はどんな人生をたどるのでしょう?

昨日の3頭のシルエットと星空は一生忘れられそうにありません。

『彼らの昨晩のドキドキの中には「変なライト当てる人間もいるし~」もあっただろうな』
『ごめんね。ありがとう』

柳原






スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

ピッキオ

Author:ピッキオ
軽井沢野鳥の森を毎日ガイドしているピッキオが、野鳥の森の季節の自然情報や、日々のネイチャーウォッチングなどで出会った生き物についてご紹介します。
©ピッキオ 禁無断転載

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
QRコード
QRコード