もぬけのから

先日、葉が落ちて見つけやすくなる野鳥の古巣を紹介しましたが、
今日は虫の古巣を紹介しましょう。

古巣といっても蛾のまゆなのですが、
枝先に、写真のようなまゆがぶら下がっているのを見つけることがあります。

ウスタビガまゆ
ウスタビガのまゆ

緑色の美しい絹糸で丁寧に作られた、不思議な形をしたまゆです。
「ウスタビガ」という大きな蛾の幼虫が作ったものです。
その形が「かます(むしろを二つ折りにした袋)」に似ているため、
「やまかます」と呼ばれる地方もあるそうです。

まゆの後にちらっと枯葉が見えますが、
まだ葉が緑だった頃に、葉影に隠れるように、このまゆは作られました。
その時幼虫は、葉と一緒にまゆが落ちないように、葉柄から枝までを糸で結びつけます。
それで落葉した後でも、枯葉と一緒にぶら下がっているのです。
写真でも、ミズキの赤い枝に糸が巻き付けられているのが判るでしょう。

まゆの主はすでに羽化し、中身はありません。
まゆの上側が、パカッと開くようになっているのが判ると思います。
そこから外界に出てしまっているのです。

ウスタビガは、秋の終わりに羽化します。
成虫には口が無いので、もう花が無くなった季節でも良いのです。

羽化した成虫は、まゆにつかまって翅を伸ばします。
きっとこのまゆからは、メスの蛾が羽化しました。
翅を伸ばしたメスは、フェロモンを放出し、オスを誘います。
そして飛来したオスとここで交尾し、2つの卵を残して飛び去っていきました。

なぜそんな事が判るかって?
それはまゆの右下に、2つの卵が付いているからです。

きっとこのメスは、自分が育った場所に2つの卵を産み残し、
他の場所へと産卵の旅に出たのでしょう。
命尽きるまで、森のあちこちに、卵を産み残してゆくのです。


もうひとつ、先日見つけた別のまゆをご紹介しましょう。

クスサンまゆ
クスサンのまゆ

こちらは表面が網目で、中身が丸見え。
「クスサン」という、やはり大きな蛾のまゆです。
同じように秋の終わりに羽化し、中身はもうありません。

それにしても、こんな「シースルー」なまゆでいいのでしょうか?


ところで、来週の月曜日(12月7日)、長野市まで行って来ます。
NHK長野放送局の「ひるとくテレビ プラザN」に出演するためです。

くらしのサプリというコーナーで、「冬の森を歩いてみよう!」と題し、
冬ならではの森で見られるいろいろなものを紹介します。

本ブログで紹介した、鳥の古巣や蛾のまゆも持って行きますよ。
長野県内のみの放映ですが、受信できる方は是非ご覧下さい。
11:40からの放送となります。

大塚
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軽井沢野鳥の森を毎日ガイドしているピッキオが、野鳥の森の季節の自然情報や、日々のネイチャーウォッチングなどで出会った生き物についてご紹介します。
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