あるカモシカの最期

今から10日前の11月3日、「星のや軽井沢」のすぐ裏手に、
1頭の怪我をしたニホンカモシカが現れました。

お尻の毛皮がそっくり剥け、
露出した肉にハエのウジがたかっているという酷い状況でした。

ニホンカモシカは野生動物ですから、
怪我をして死んでしまうのは、仕方の無い事ではあります。
しかし国指定の特別天然記念物として、保護されている動物でもあります。
このまま放置してもよいものなのか?

担当は文化庁、町では教育委員会が管轄になるということで、
玉谷さんが教育委員会に連絡し、職員の方も状況を確認に来てくれました。

しかしこのカモシカは立つ事も歩く事もでき、
怪我をしている部位を見なければ、特に問題はないように見えます。
無理に捕獲してストレスを与えるよりはと、そのまま様子を見る事になりました。

そして翌日は、その場から消えていました。
まだ歩いて移動する元気があったと推定されました。

・・・その9日後。
昨日、私たちが木を切っていた場所の沢に、
そのカモシカと思われる死体があったのです。
(サムネイルを小さくしました、死体の写真が苦手な方はクリックしないように注意!!)

カモシカ死体
カモシカの死体(クリック注意!)

死んでまだ数日と思われる、新鮮な死体でした。
右耳に切れ込みがある、体色が明るいなど、先日の個体の特徴とも一致します。
あれから1週間ほど生存し、そしてついにここで力尽きたのでしょうか?

上半身が水に浸かり、怪我をしていたお尻から太ももにかけての肉、
そして内蔵は、すでに動物に食べられてありませんでした。

河原には、胃内容物と思われる植物片のかたまりが落ちていました。
前日の雨で流されていない所を見ると、昨晩に食べたのかもしれません。
その上には肉食動物の糞が・・・、
大きさから、キツネかタヌキのものでしょう。
付近にはトビのものらしい羽毛も落ちていました。

カモシカの肉体を構成していた物質は、肉食獣やトビの血肉となって、
再び自然界の食物連鎖を巡る旅を始めたのです。

怪我カモシカ顔正面
11月3日に撮影した生前の怪我カモシカ

今回、カモシカの死体を観察して、
動物の死体が他の生命を養っているという事実の一断面を
かいま見ることができました。

軽井沢の自然は、
テレビで見るアフリカのサバンナと同じように、
動物達が命のやりとりをしている「野生の王国」なのです。

大塚
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軽井沢野鳥の森を毎日ガイドしているピッキオが、野鳥の森の季節の自然情報や、日々のネイチャーウォッチングなどで出会った生き物についてご紹介します。
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