白い落とし物

今日も私はムササビウォッチング担当。
夕方、ピッキオビジターセンターに向かって歩いていると、
道端にまっ白い物が落ちていました。

よく見ると、まだ真新しいチョウの死骸です。
踏まれそうな場所だったので、そっと拾い上げて落葉の上に移しました。

ウラギンシジミ死体160929

見るのは何年ぶりでしょう?
私の地元、千葉県ではお馴染みのチョウです。
銀白色の翅裏から、その名も「ウラギンシジミ」。
幼虫はクズやフジの花や蕾を食べ、成虫で越冬します。
暖地のチョウなので、寒い軽井沢では越冬できない筈ですが・・・。

ウラギンシジミ♀表160929

もう一度拾い上げて、そっと翅を開くと、表側には白い模様があります。
オスではオレンジ色の模様があるので、これはメスのしるし。
翅の先端が尖っていることから、これから越冬する筈だった秋型です。

恐らくこの夏に、より標高の低い群馬県側から、
軽井沢にやって来た夏型のメスがいたのでしょう。
そして軽井沢でクズの蕾に産卵し、産まれた幼虫は成長して秋型の成虫になりました。
しかし、冬が来る前に何らかの理由で死んでしまったのです。

まだそれほど寒くなっていないので、凍死した訳ではないと思いますが、
軽井沢では結局、冬を越すことは叶わなかったでしょうね。

最近は温暖化の影響か、軽井沢でもツマグロヒョウモンのような
暖地性のチョウを見る機会が増えてきました。
ウラギンシジミも、同じように軽井沢で増えているのかもしれません。

もし、このまま温暖化が進行すれば、
いつか軽井沢でも、ウラギンシジミが越冬できるようになるでしょう。
そんな時が来るまで、彼女達は毎年軽井沢にやって来ては、
秋に死滅していくのです。

生き物が分布を拡大していく裏には、そんな死のドラマの積み重ねがあるのでしょうね。

大塚
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軽井沢野鳥の森を毎日ガイドしているピッキオが、野鳥の森の季節の自然情報や、日々のネイチャーウォッチングなどで出会った生き物についてご紹介します。
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